秋のドッペルゲンガー

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夏の終わりに(TBテーマ)

2006/08/31(木) 21:45:28

 「読書感想文」~この検索語句で私のブログにやってくる方が大勢います。
 先週末から、目立って増えてきました。 
 トラックバックテーマの「夏の終わり」を感じます。
 「しろばんば 感想文 原稿用紙5枚」だとか、「オリジナル 感想文 氷壁」など具体的な検索語句があってほほえましく感じます。
 
 書評を書いている方は、同じような検索語句があるのでは?

 ところで、FC2に移ってから、ろくな読書感想文を書いていません。
 以前は、たとえば「蝉しぐれ」などの感想文を書いていましたがすでに削除してしまいました。
 ですから、読書感想文のネタ探しで、ここに来てくれた方には申し訳ないなーと思っています。

 最近は、ブログで書評を書いている方が多いので、けっこうこの検索技は使えると思います。
 ただ学校に提出するような内容のものはなかなかないでしょうね。

 私も、読書感想文ではずいぶん苦労した思い出があります。
 とくに学校から課題図書が用意されたりすると、そもそもその本を読むこと自体が苦痛に感じました。
 
 そういえば、高校の時、「かもめのジョナサン」の感想文を書きました。
 薄い本で、絵本のようなものでしたから簡単に読めると思ったのです。
 もうすっかり筋は覚えていませんが、はっきりいってつまらない本でした。(当時の私にとって)
 ですから読書感想文に、「なんで主人公がカモメなのか納得できないし、抽象的なことや比喩的なことばかりでなにを表現したいのか理解できない。」などと批判めいたことばかりを延々と書いて提出しました。
 驚いたことに、この感想文を読んだ先生は私と意見があったのか、良い評価をもらいました。

 ある本を読んで、その面白さや、感動したといった気持ちを文章にするのはとても難しいですね。
 心の中は、昂ぶっているのにそれを文章にできないもどかしさがあります。
 ブログ作家の皆さんの作品にコメントを書くときも同じように感じます。
 
 さて、8月31日のこの時間に読書感想文を書いている方がいるかもしれませんね。
 私は、「カモメのジョナサン」を推薦しますよ!…って、もう手に入らないか
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探しものは何ですか?

2006/08/28(月) 21:35:25

 暑い時期に外回りの営業をするのはかなりきついものだ。
 ワイシャツの襟は汗で濡れてしまっている。

 なんてことのない平凡な住宅街を歩いていた。
 顧客は黙っていてもやってこない、だからこうやって飛び込みで営業をしている。

 ハンカチで流れる汗を拭いていると、急に何か落としてしまったことに気が付いた。
 ポケットの中、鞄の中を探してみた。
 探している途中で気が付いたが、そもそも自分が何を落として、そして何を探しているのか分からなくなってしまった。
 
 ……とうとう私も若年性健忘症なのだろうか?
 情けないことに、何を落としたのかもすっかり忘れてしまったのだ。
 まったく……この暑さのせいかもしれない。

 私は何を探しているのだろうか?
 もう一度、鞄の中を調べてみたが営業に必要な物はすべてそろっているし、ズボンのポケットにはちゃんと財布も入っている。

 探しているものが分からないのに何かを探すってのは不思議なものだ。
 しかし、それは何か大切なもののような気がしていたので思い出せないのはとてももどかしいことだった。
 
 目の前に図書館があった。
 ……疲れているんだ、少しここで休もう。クーラーも効いているはずだ。

 その図書館は古い造りで中にはいると懐かしい木の香りが漂っていた。
 私は、階段を上り、所在なげに何層にも重なる書棚の迷路をさまよい歩いていた。

 そういえば、読んでみたい本があったはずだ。
 この図書館だったらあるかもしれない。
 探してみよう。
 ……と思ったが、情けないことに、自分が読みたい本がなんだったのかも忘れてしまった。
 
 これは重症だな……

 書棚の隅から隅まで探して歩けば私が読みたかった本を思い出すかもしれない。
 よし、まずは、この日本文学「近代」と書かれている書棚から始めるか。

 私は、本の背表紙を書棚の上から順番に見ていった。
 …すでに、この図書館にある蔵書の半分は見たが、やはり私が探している本はなにか見つけられなかった。

 私のこの行動が不審だったのだろうか、背後から女性の声が聞こえてきた。
 「なにかお探しでしょうか?」

 図書館の司書と思える女性が私に声をかけた。
 化粧っ気がなく眼鏡をかけた典型的な文学少女のような女性だった。

 そもそも何を探しているか自分でも分からないから答えようがない。
 仕方なく、「いや、この図書館にはない本なので結構です」と答えた。
 すると、この司書は、「そうですか。それは残念です」と悲しそうに言って、少し間を置き、
 「あなたはもしかして本ではなくて、違うものを探しに来たのではないのですか?」
と、わずかに私をたしなめるように言った。

 不思議なことを言うもんだ。
 私の行動がそんなに怪しかったのだろうか。
 「いや、もういいんです」
 適当にこの場を誤魔化してここから立ち去ることにした。

 図書館を出ると、また炎天下の街が待っていた。
 ……少なくとも一件くらいの契約を取らなければ
 
 憂鬱な気持ちでそんなことを考えていると、背後から声が聞こえた。 またあの眼鏡の文学少女だった。

 「ちょっと待ってください。あなたの探しているものを見つけましたよ」

 何だって、自分でもなにを探しているのか分からないのに…。

 司書は私の元に駆け寄り、眼鏡を外した。
 
 すると突然私がなにを探していたのかが分かった。
 私が探していたものは、落とした物でも、読みたい本でもなかった。

 彼女は、「やっと見つけてくれたのね。あなたが私を見つけてくれるのをずっと待っていたのよ」と言った。

 彼女は昔の知人でも、もちろん恋人でもない。
 しかし、私が探していたのは、この文学少女に間違いがなかった。

 (完)

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俺の愛犬物語3~犬の名前

2006/08/26(土) 20:50:11

 驚いたことにこの犬は俺に鼻先をすり寄せてきた。
 なんなんだ、こいつは……
 最後の最後で俺に媚びを売っているのだろうか。

 こいつは俺の右腕に噛みついた。
 いや俺の背広の袖に噛みついたのだ。
 そして、そのまま立ち上がり俺を引っぱっていく。

 ちょっとしたくぼ地が近くにあった。
 犬に引かれその真ん中付近まで行くと……

 腐敗臭がした。
 犬の死体だった。
 子犬と思われるのが2匹、そして子犬に寄り添うように成犬の死体があった。
 成犬の方はそれほど腐敗していないことから最近死んだのだろう。
 子犬をよく見ると俺が殴った犬と同じように茶色で脚が太く尻尾も太かった。

 犬は、その3匹の死体のそばでまた腹這いになった。

 「お前まで死なせるわけにはいかないよ」
 俺はそう言った。

 こいつは、俺に訴えかけていたんだ。
 助けを求めていたんだ。
 まったく、犬ってのはやっぱり畜生だ。
 吠えることしかできない大馬鹿犬め。

 もう動けなくなった犬に、「ちょっと待ってろ」と言い捨てて俺は急いで家に戻った。
 あのくぼ地に戻ると犬は俺の顔を見てまた鳴き声をあげた。
 俺は、家から持ってきたスコップで穴を掘り始めた。
 その様子を犬はじっと見ている。

 「ほら、最後のお別れだぞ」
 俺は、そう言って子犬と成犬を穴の中に入れ土をかぶせた。
 やはりあいつはその様子をじっと見ている。
 3匹を埋め終えて近くにあった大きな石をその上に置いた。
 墓石のつもりだった。

 犬が俺の行為に満足したかどうか分からない。
 そもそも、犬畜生に人間がすることを理解できるはずがない。
 しかし、同じ動物同士、心が通じるときもある。
 この時は、そんなふうに感じていた。

 犬は、石に体をすり寄せて横たわった。
 ここで死のうとしているんだろう。
 
 ……そうはさせない。

 俺は犬を抱きかかえて家まで行き車に乗せ動物病院に運んだ。

 不思議な出来事だった。
 死んでいた犬はおそらくあいつの子供だったんだろう。
 でもなんであんな所で死んでいたのだろう。
 誰に捨てられたのか、この犬の飼い主なんだろうか。
 成犬はあいつの嫁さんか?
 そして何であいつは俺を選んだんだ。
 子犬の時に可愛がったことを覚えていたからなのか。

 こんなことがあってからいろいろ考えてみた。
 しかし、犬畜生のやったことにおセンチになって、人間的感情を持ち込んでもしょうがない。
 
 犬の回復は早かった。
 脚はまだ完全ではないが、不格好ながら走ることもできるようになっていた。

 駅までの道のりは楽しいものになった。
 朝は俺の後を付いてくる。
 しかしあいつは元の飼い主の家にはけっして近づこうとしなかった。
 一つ手前の曲がり角で俺が駅に向かうのをじっと見ている。
 そして俺の帰る時間が分かるのだろうか、何時になろうと同じ場所で俺を出迎える。
 俺の姿を見ると、あの太い尻尾をわずかに振って俺の後を付いてくる。

 散歩にもよく行く。
 俺たちお気に入りのコースは、雑木林の中のあのくぼ地だ。
 あいつは、墓石のある場所で腹這いになって中々動こうとはしなかった。
 
 犬の墓参りか……
 まったくナンセンスなことだ。

 俺は犬の頭を軽くたたき、その場所を離れた。
 すると犬は何事もなかったようにすぐに俺の後を付いてくる。
 やっぱり畜生だな、何も分かっちゃいないんだこいつは…俺は、そうではないと分かっていたが、そう思うことにしていた。

 そういえば、あの日以来、こいつが吠えているのを聞いたことがない。
 俺は、「おいお前、まだ名前をつけてなかったな。なんて呼ばれたいんだお前は?」
 そう言うと、犬は俺を見上げて名前が呼ばれるのを待っているようだった。
 俺は頭に浮かんだ名前を呼びかけてみた。
 すると犬は嬉しそうに俺に体をすり寄せてきた。
 そうか、この名前でいいんだな。
 俺は、一生離すことができない相棒を得ることができた。
 相棒っていったってしょせん畜生だが。
 
 不覚にも涙が出てきてしまった。
 犬畜生に泣かされるなんて俺も弱い男になっちまったもんだ。
 俺はまるでガキのように泣きじゃくりながらいつまでも俺の相棒を抱きしめていた。

(俺の愛犬物語 完)

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俺の愛犬物語2~たたき殺す

2006/08/26(土) 16:52:58

 犬は、ゆっくりと俺の方に近寄ってきた。
 てっきり突進してくるかと思ったがそうではないようだ。
 しかし、その眼は俺を見据えてけっしてそらすことはない。

 たたき殺してやる……そう思った。

 飛びかかればすぐにでも俺を噛むことができる位置まで来た。
 この犬は、落ち着き払っている…いや俺を甘く見ているんだろう。
 ちぎれた鎖がアスファルトの路面を撫でチャリチャリと嫌な音をさせている。

 先制攻撃だ。
 俺は、傘を振りかぶって犬の背中めがけて振り下ろした。
 腕に確かな衝撃を感じた。
 犬は、一瞬よろけたがさらに俺に近づいてきた。

 なんだ、この野郎、まだあきらめないのか……

 俺は、まるで子供のチャンバラのように何回も何回も犬の顔面、背中を打ち続けた。
 気づいたときには傘は折れていて、そして犬は口から血を流し道路に倒れていた。
 右の前脚が奇妙な角度で曲がっていた。
 あばら骨も何本か折れたのだろう。
 苦しそうに息をしているだけだ。

 そういえば、こいつは吠えもしなかったし、鳴き声も上げなかった。
 
 まあこれだけやればこの犬も人間様に楯突くようなこともなくなるだろう。
 それ以前に、この様子じゃもう長いことなさそうだ。
 
 犬一匹を相手にして大人げなかったかとも思ったが、俺が噛まれてしまうよりましだ。
 この結果は、いわば正当防衛みたいものだ。
 そう納得して、俺は傘を放り投げてこの場から離れることにした。

 ……犬が立ち上がった。
 また俺の方に向かってくる……しかしもう戦う余力はないはずだ。

 犬は、奇妙な角度に曲がった脚を引きずりながら俺の目の前まで歩いてきて……そして俺を通り越してしまった。

 なんだ、こいつは……
 おそらく完全に負けを認めたのだろう。
 どんどんと俺から離れていく。
 死に場所を探しているのだろうか。

 折れた脚をかばっているため後ろから見るとまるで壊れたぜんまい仕掛けのロボットが動いているようだった。
 歩くたびに太い尻尾が上下左右に動いて、そこだけが強い生命力を感じさせた。

 犬は10メートルくらい歩くと俺の方を振り向いた。
 まだ眼には力が残っていた。
 しかし、その力は俺に挑みかかるようなものではないことに気が付いた。
 俺は、犬の方に近づいていった。
 ある程度、近づくと犬はまるで安心したかのように前を向いて歩き出す。
 ちぎれた鎖が相変わらず路面をこすり続けている。

 そんなことを繰り返して、かなり遠くまで来てしまった。
 住宅街を抜け、小さな川に架かる橋を渡り、砂利道を通り、すっかりと人気のない雑木林の中に入った。

 いいだろう、ここだったら死に場所として相応しい。
 最期を看取ってやることくらいはできる。
 
 犬は雑草が生い茂った場所に力尽きたかのように腹這いになってから顔を上げ俺を見た。
 そして初めて、鳴き声をあげた。
 こいつの鳴き声を聞くのは初めてのことだった。
 立ちすくんでいる俺を呼び寄せているようにも感じた。
 俺を安心させるかのように何度も俺の顔を見て鳴き声をあげた。

 俺は、雑草をかき分け犬に近づいていき、犬の横にひざをついた。
  
 (つづく) 
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俺の愛犬物語1

2006/08/24(木) 22:56:41

いつもその犬と顔を合わせていた。
というよりも顔を合わせざるを得なかった。
最寄り駅に向かう細い路地沿いにある家の飼い犬だった。
この道を通らなければ駅までは恐ろしく遠回りになってしまう。
大型の雑種犬だった
こげ茶色の長毛でしっぽが太かった。
脚も太く、そしてその目つきはいつも獲物をねらっているかのように鋭かった。

おそらくこの犬の飼い主はずぼらであるか、あるいは既に犬への愛情がなくなってしまったのだろう、いつ見ても鎖につながれたままだった。
俺は、こいつがまだ幼犬だった頃から知っている。
まだその頃はコロコロと太っていて愛らしい犬で時々頭をなでてやったりしていたので、こいつも俺のことをたぶん「優しい人間」と認識していたはずだ。

この犬は、6ヶ月もすると立派な体躯となり、その頃から俺を見る目が変わってきた。
俺が、なにをしたと言うわけではない。
とにかく俺の姿を見るとかならず噛みつかんばかりに吠えるようになった。
他の人間が近づいてもふて寝をしているだけなのに。
おそらく俺の足音を覚えてしまったのだろうか、たとえ寝ていたとしても俺の気配を感じると鎖がちぎれんばかりに興奮して吠えまくるのだ。

朝、出勤のためこいつの前を通るのが嫌でしょうがない。
そして帰りの道のりも憂鬱になってしまった。
鎖につながれているからもちろん噛まれるような心配はない。
しかし、毎日こうも吠えられるっていうのはどうしても納得ができない。

絶対、こいつは俺を嫌っている。
いや憎んでいるのだ。
あの目つきを見れば分かる。

でもなぜなんだろうか。
どうしても分からない。
飼い主の姿を未だかつて見たことはなかった。
しかし、餌を与えている様子がある。

犬に吠えられるくらいで何を悩んでいるんだと思われるかもしれない。
ある日、俺はこいつに餌を与えてみた。
つまり手なずけようとしたのだ。
ビーフの固まりだったが、驚いたことに口にくわえてから顔を横に振り俺に向かってはき出したのだ。
なんなんだ、こいつは……
怒りでこの犬を殴り殺してやりたいと思った。
犬一匹を殺しても大した罪にはならないだろう。
しかも、飼い主からも見放されたような犬だ。

雨の日の帰り道だった。
俺が近づく気配に気づくとこいつは、また鎖がちぎれんばかりに俺に向かって吠えてきた。

……現実に、その鎖は俺の目の前でちぎれてしまった。

犬は、ちぎれた鎖を確認するかのように振り向いてから、ゆっくりと俺の方に近寄ってきた。
おかしな話だが、その時犬がニヤリと笑ったように見えた。

俺は後ずさりしながら、洋傘を畳んで頭上に構えていた。

(つづく)
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波瀾万丈な物語

2006/08/22(火) 22:04:26

 胸躍り息もつけない面白さとはこの作品のことを言うのだろう。
 私などは、寝床で読んでいたのにかかわらず、その素晴らしさで何回立ち上がってしまったことだろう。
 立ち上がってしまうほど面白い作品なんてめったに巡り会うことができないものだ。

 遙か遠くネパールで生まれたその作品は、「Self standing(邦題:完全なる自立)」
 あえてジャンル分けするとしたら、霊長類学あるいは博物学になるだろうか。
 しかし、そんなジャンルなんてどうでもいいだろう。
 すべてのジャンルを超越して、まさしく私たちの前に立ちはだかるような輝きがある。
 万人に勧められる作品です。
  ↓
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ヨガをする白猫!

2006/08/20(日) 21:40:39



↑ クリックすると拡大しますが…

 ヨガDVDを見ていたところ白猫もヨガを始めました。
 なかなか体が柔らかく才能があるようです。
 特に、不妊症などに効果がある「猫のポーズ」はさすがにプロ級でした。
 ちなみに右のブックマーク「mooom doppel's movie」で動画が見られます。
内輪的な「最近の大笑い」です。
(「小説ブログ」改め「猫ブログ」にエントリーした方がいいかもしれません;;)
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学習漫画・日本の歴史

2006/08/18(金) 21:38:31




 実家に、「集英社版・学習漫画 日本の歴史」の12巻から18巻までありました。
 近所の方が、私の甥・姪のためにくれたそうです。
 今夏、姪が遊びに来ましたが、この本には全く興味を示さず、買ってあげたPSPで猿を捕まえるゲームを一心不乱にやっていました。

 12巻は「崩れゆく江戸幕府」で興味本位で読み始めたところ面白く、また分かりやすくてあっという間に18巻「新しい日本のあゆみ」まで読破してしまいました。

 こういった歴史学習漫画は、学校の図書館にもありました。
 図書館で読める唯一の漫画だったので人気があったと覚えています。

 漫画だからと言ってバカにはできません。
 下手な歴史解説書などよりよっぽど勉強になります。
 漫画以外にも実物写真や実写風のイラストなどが豊富です。
 また巻末の「お母様がたへ」という解説も親切です。

 全18巻というボリュームがあるシリーズですが、図書館などで借りてお子さんと一緒に読んでみるのはいかがでしょうか?

 幕府が崩壊して混沌とした状態から戦争を経て近代日本ができあがってきた様子がとても良く分かりました。
 特に薩摩・長州藩出身の人物が近代化にどれだけ貢献したのかを知り驚きました。
 私の友人にも、九州出身の方が多いのですが、ほとんどの方はエネルギッシュで優秀です。
 政界にもいまだに薩長出身者は多いのではないでしょうか?

 ちなみに私は北海道出身です。
 そういえば、この漫画には東北出身の偉人は描かれていましたが、北海道は、「開拓場所」としてクラーク博士の農学校くらいしか描かれてなかったなあ;;
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ブログ復活率

2006/08/17(木) 23:20:59

 私が経験したブログ復活率は、6分の3、つまり50%である。
 いきなり何を書いているのか分からないでしょう。

 今日、親しくしていただいていたブログ管理人が「ブログ閉鎖」の旨の記事をアップされていた。
 残念というか、それを通りこして無念でもある。

 しかし、その方の決めたことだからとやかくは言えない。
 いや、本当は、「やめるなよ」と言いたいのだが…。

 私も2年近くブログをやっていて、2度「ブログ閉鎖」をしている。
 だが、1回目は、2週間後に復帰、そして2回目は、なんと2日後に復帰している;;
 つい最近、思うところがあって、3度目の正直で、「閉鎖宣言」の記事を書いてみたが、さすがにこれは保留している。

 今まで、6人の方がブログ閉鎖を宣言したのを経験した。
 そして、その中から、3人の方が復活してくれている。

 今日、宣言された方もぜひ復活あるいはサイトは残しておいて記事を書けるようになったら再開してもらいたいと切に願っている。
 
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転載と引用について

2006/08/17(木) 22:52:04

 ブログ仲間の方から次のような趣旨の質問を受けました。
お気に入りの詩をブログ内で紹介したいのですが、大丈夫でしょうか?
一部だったらいいのか、あるいは全部だったらダメなのか

 この質問について、検索ワード「著作権・転載・引用」などで調べて書いた内容が下記のものです。
 なにぶん付け刃の知識ですので自信がありません。
 このことについて詳しい方がいらっしゃいましたら誤りのご指摘あるいはご指導をお願いしたくて、この質問と私なりの回答をアップしてみることにしました。

↓ 私なりの回答

これは、すごく難しい問題ですね。
以前、gooブログにもこれに関する記事を書いたことがあります。
「転載 引用」というキーワードで検索してみると、ある程度の知識は得られるかと思います。

簡単に記すと、
著作物の無断転載はダメ→作品を丸々コピーして自サイトに貼り付けるようなことは当然ダメですね。(当然著作者の許可あるいはそれなりの著作権料を払って転載するのはOK)
引用→OKです。引用ってのは文字通り、自分が書きたいことを伝えるため、自分の記事を構成するために必要、あるいは批評、論評するため…などのために、誰かが作った著作物を引用することです。
大事なのは、自分の記事です。
その自分の記事を成立させるために他の記事を引用する必然性があること。
そして、引用部分がその記事で主になっていて、じぶんの記事が従であってはいけないとのことです。
つまり、

こんな素敵な詩を読みました!

 空がとっても青くて気持ちがいい。
 私は大空に羽ばたいていきました^^
 私は白鳥、空飛ぶカモメ
 カーカーと鳴いてみました
 するとあたしの母がやってきて
 「あなた大丈夫?」と聞きました
 大きなお世話です;;
 

私がとても大好きな詩です。


↑こんな感じの記事だとしたら、「詩」が主で、「とても大好きな詩です」の自分で書いた記事は従となってしまいますよね。
ここで問題なのは、どこまで書けば「主」なのか?あるいは「従」なのか?の問題だと思います。
この問題は、ケースバイケースで決定されるいわゆるグレーゾーンみたいです。
一般に、引用は、歌詞だとか詩、あるいは小説なんかにしても、その一部を切り取って引用するのはOKのようです。

ただ、いろいろな方のブログを読んでいると必ずしもこれが守られていないようです。
そういった方でも悪意はなく、「これは私のとっても大切にしている詩です」なんて形で転載されています。
そういった悪意がなくても著作権上では無断転載ってことになりかねません。
ですが、そのことでいちいち訴えられたりというのは、稀なことのようです。
ただ、そういったルールがある以上は、全文転載は避けたほうがいいかもしれません。

私も、例の「キキ」の原作をgooブログに転載しています。
続編を書くための引用ですって言っても認められないと思います。
これはちょっとまずいかな?なんて思ったのですけど、まあいいだろうなんて軽く考えていました。
ただ、誰かが別役氏の「キキ」を読みたいと思って本を買おうとしたが、私のサイトに「キキ」全文が載っていたので本を買わなかった。
こうなると、やはり著作権を侵害しているんでしょうね。
(後で削除しなきゃいけませんね)

歌詞なんかを引用しているブログはけっこうありますよね。
そして、その歌詞にまつわる自分の思い、感想なんかを書いてある。
ここらへんは、先ほどの主従の関係を
考えるとけっこう難し問題です。
どうしても、自分の考えを書くためにその歌詞が必要だったから引用した。
そして、引用した歌詞よりも、自分の言いたいことを書いた記事の方が質的にも量的にも大きい。
これがいいのか悪いのか・・・調べましたけど、はっきりした答えは出ませんでした。

一般的には、詩のフレーズを切り取って引用する形はOKのようです。
自己啓発の本なんかは、他の方の名言や著作の一部をたくさん引用していますよね。これは、自説を論じるための補足や理解を深めるためで、主従の関係では従になるので、著作権料なんて支払わないで引用していると思います。

長々と書きましたけど、結局分からないというか、グレーゾーンがあって著作権に違反するかどうかは、その記事の内容や引用の仕方で、個々具体的に判断されるようです。

>一部ならいいとか全文はダメとかそういう決まりはありますか。
 これもケースバイケースですよね。
一般的には一部だとOKのようです。
でも、たとえば俳句、短歌だって立派な著作権のあるものですよね。
その俳句を紹介しようとして、一部だけを切り取ったら訳が分かりませんよね。だから俳句は全文OKなのか?うーんわかりません。
俳句ってもともと短いんのですから、全部転載しても一行くらいですよね。
そうなると俳人の著作権はどうなるんだ!ってことになりますよね。

原稿用紙2枚くらいのショートショートを全文転載して、もしそれに関する考察をその短編以上の分量、たとえば原稿用紙5枚以上で書くとしたら、理論的には一応引用だと思うのですが。どうでしょうか?

>それから、例えば歌の詩など、掲載することは何かに引っかかりますか。
 これはさっきも書きましたけどけっこう転載している人は多いですよね。
JASRACという組織があって、ここは相当厳しいらしいです。
ネットで調べたら、「厳しすぎる」なんて指摘もありました。
でも、じぶんの好きなフレーズを少しだけ抜き取って、自分の感想を主になるようにアップするのであれはOKだと思います。

ですから、○○さんが引用したいものがあれば、一番気を付けてもらいたいのは、○○さんの記事が質量とも主になって、引用は従になるようにすることだと思います。

そして引用した部分は、たとえば「ドッペル作・角川文庫より引用」などと書いて、引用先はどこなのかをはっきりさせること。
 そして段落を変えたり(段落を変えるときはblockquoteというタグを使うと簡単ですよ)、文字色を変えたりして引用部分であることがすぐ分かるようにすることが必要です。

 あまり分かっていない私が延々と書きましたが、転載と引用は何回も書いているとおりグレーゾーンがあるようです。
ただ歌詞、詩なんかを丸々自サイトにアップするような時は、それを丸々引用しなければならない特別な理由がある時に限られると考えなければならないと思います。
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ヒーリングミュージック

2006/08/15(火) 23:29:49

言葉よりも~モア・ザン・ワーズ 言葉よりも~モア・ザン・ワーズ
ケビン・カーン (2006/05/04)
インディペンデントレーベル
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 何もかも捨ててしまおうと漠然と考えていた時に選んだCD。
 ジャンルは、ヒーリングミュージック(ピアノ)になるのだろう。
 
 仕事をさぼり、新宿紀伊國屋書店2階のCDコーナーでヘッドフォンをかけて試聴していた。
 ケビン・カーンというまったく知らないピアニスト。
 一曲聴いただけで買うことを決めた。

 以来、車の中でいつも聴いている。
 特に、なんていうことがない音楽。
 こんなことを書いたら失礼なのは承知しているが、新しさも古さもなく、斬新なメロディーでもない。
 メロディーパートだけなら私でも弾けるような気がしてくる。
 運転中には、あまりにも自然な音なので、すっかり音楽を聴いているという感覚がなくなってしまうほどだ。
 
 more than words というタイトルもこのCDにはぴったりに感じる。
 ケビン・カーンは、目が見えないピアニストらしい。
 それにしては、映像が浮かんでくる。 
 たまには、こういった音楽に身をゆだねるのもいいものだ。

追記:amazonを彷徨っていたら、ケヴィン・カーンのベストアルバムが出ているようです。
 
コレクション コレクション
ケヴィン・カーン (2002/08/21)
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ブログ・ドッペル・ゲンガー

2006/08/15(火) 02:24:07

 2年近くもブログを続けているといろんなことがあるもんだ。
 どこの誰だか分からない、つまり一面識もない人とネット上でつながり合うってのはかなり不思議なもんだ。 

 俺は、くだらない小説もどきを書いているから、ずいぶんと所謂ネット作家と知り合うことができた。
 しかし、にほんブログ村 小説ブログへなんてランキングサイトに登録しているから、このブログが小説専門なんて勘違いしてしまう人が多いようだ。
 所詮、俺にとってのブログは、まさしく徒然なるままに雑文を書くものだと思っている。
 ところで徒然ってどんな意味なんだ?
 そんなことも分からないが、まあどうでもいいだろう。

 ブログ人口ってどれぐらいなんだろう?
 一時のブームは去ったようだが聞くところによると既に何百万人って数の人間が、友達付き合いから宇宙まで様々なテーマで記事を書いているらしい。
 このエネルギーたるや相当なもんだ。
 事実、有名企業も、このブログの力に目を付けているらしい。
 
 まあ、いままでの話はどうでもよくて、ここからが本題だ。

 ある日、俺がブログに書いたドッペル・ゲンガーという短編にこんなコメントが寄せられた。
   
【ゲンガー】
おい、おまえ、俺のアイデアを盗んだだろう。
いくら素人だからと言ってやっていいことと悪いことがあるんだからな!


 なんなんだ。こいつは?
 ゲンガーだなんてふざけている。
 俺のIDは、ドッペルだって言うのに。
 ドッペル・ゲンガーっていう短編は俺の作品の中では、まあまあ上手くできたものだった。
 
 俺は、ゲンガーと名乗る奴のブログを訪れてみた。
 なんだ、これは!
 筋は微妙に違っているが、アイデアからオチまで俺のものと一緒じゃないか。
 さては、この野郎が俺のアイデアをパクリやがったな。
 
 まあしかし、ドッペル・ゲンガーっていう現象を知っている奴だったら俺と同じようなアイデアを思いつくってこともあるはずだ。
 しかし、似すぎている。
 俺は、奴のブログにある他の記事を読んでみることにした。

 …なんなんだ、これは。
 小説以外の記事…たとえば株や投資の記事、映画の記事、ヨガの記事、おまけに個人的身上や悩み事なんかも…全て同じだ。
 いやまったく同じじゃないが、言わんとしていることはほぼ同じだった。

 これは悪質な野郎だ。
 何の目的があってこんなことを…。

 俺は奴のブログをもっとよく調べてみた。
 すると俺が書いた記事よりも日付が先になっているものもあったし、後のものもあった。
 投稿時間なんて、編集でいくらでも変えられるのでおそらく怪しまれないように適当な時間を後で入力したんだろう。

 まあこのゲンガーなんて奴には関わらない方がいいだろう。
 しかし、俺が盗作をしているなんて思われるのは御免被りたい。
 奴の意図はなんなんだろうか?
 まあ、現実世界にも訳がわからない奴がいるからネットにも変な奴がいるんだろう。

 なんとか奴の行動をとめて、然るべきところにでも訴えなければ。
 でも、どこに訴えればいいんだろう?JAROなのか特許庁だろうか。いや著作権だから…うーん、そもそも俺の小説に著作権なんてあるんだろうか?
 
 俺は、ブログ仲間に協力してもらってゲンガーって野郎が盗作しているっていう証拠をつかむことにした。
 方法は簡単だ。
 まず俺が、なんかの小説をブログにアップする。
 それから、仲間にゲンガーのブログをすぐにチェックしてもらう。
 そうすれば、いくら投稿時間が俺の記事より先になっていても奴が盗作していることがはっきりする。
 何人も証人がいれば、訴えるのは無理でも奴のブログを閉鎖させることぐらいはできるだろう。

 なんでもいいからブログにアップする小説を考えてみた。
 ふたつアイデアが浮かんだ。
 時男登場っていうお話と、地球がひっくりかえってしまうというくだらないさかあがりの夜っていうものだ。
 どっちもしょうもないお話だが、まあいいだろう。
 とりあえず、さかあがりの夜ってのを2回に分けてアップすることにした。

 俺は、ブログ仲間に連絡してから前編を書き上げた。
 10分くらいで書けただろうか。
 奴のブログに行ってみた。
 当然、俺と同じような記事はなかった。
 今頃、必死で俺の記事をコピーしてちょっとだけ筋を変えているところだろう。

 さて、後編だ。
 しまった!
 後編を書いているうちにストーリーの辻褄が合わなくなってしまった。
 すっかり先に進めなくなってしまった。
 仲間にはすぐにアップすると連絡している。
 ストーリーを修正して新たなオチを考えるのに小一時間かかってしまった。

 まあ、いいだろう。
 おっと、その前に奴のブログをのぞいてみるか。

 やはり、俺がさっき書いた前編が巧妙に盗作されてアップされている。
 バカな奴だ。
 こっちには何人も証人がいるとも知らずに…。

 あれっ、奴のエントリーリストにさかあがりの夜 完結編ってタイトルがあるぞ。

 俺は、そのリンクをクリックして読んでみた。
 
 …なぜなんだ?
 俺がこれから完成させようとしている完結編と同じじゃないか。
 俺は、まだそれをアップしていない。
 …ということは俺が奴と同じような内容をアップしたら、俺が盗作をしたことになってしまう。

 可能性としては、前編を読んだ奴が俺と同じような思考回路で完結編を創ったとも考えられる。
 それだけ俺の小説は単純ってことなんだろう。

 俺はあえて完結編をアップすることをやめ、もうひとつの「時男 登場」って短編をアップすることにした。
 これは一話完結だから先回りされる心配はない。

 俺はバチバチとでかい音をたてキーボードをたたきくだらない話を打ち込んでいった。
 その時、ブログ仲間からメールが入った。

>ゲンガーって野郎が、変な短編をアップしたよ!

 俺は、キーボードから手を離し、奴のブログを訪れた。

 …そこにはタイトルが「時男 登場」とあり、俺が今まさに打ち込んでいるものと内容もオチも一緒だった。

 一体、奴は何者なんだ。
 いや、それよりも俺こそ何者なんだろうか?

 _______________________

 自己レス
 こんなオハナシを最後まで読んでいただいた方、申し訳ありませんでした!
 ノリで書かせてもらいました;;
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アニメ版 時をかける少女

2006/08/14(月) 02:41:39

 
時をかける少女 時をかける少女
原田知世 (2000/12/22)
PI,ASM/角川書店
この商品の詳細を見る
 筒井康隆原作、大林宣彦監督、原田知世主演、私が何度も繰り返し観ている心に残る名作、「時をかける少女
 こちらのブログにも、ぜひこの映画のことを書こうと思って、amazonリンクを調べたところ、なんと今年7月にアニメ版が公開されていたらしい。
 まったく知らなかった。どうやらゲド戦記の影でひっそりと公開されていたようだ。

 amazonには、まだ1件もカスタマーレビューがない。
 おそらく駄作なのだろうと思い「みんなのシネマレビュー」の時をかける少女(2006)をチェックしてみたところ、たった18件のレビュー数・・・しかし、そのほとんどの評価が9か10だった。
 この辛口サイトでは、めったにないことだ。
 引用してみよう。
 「神格化された大林監督版を凌駕してしまうくらいに大好きな映画」
 「主人公と同年代の方で、今この映画に出会えた方が本当に羨ましい」
 「間違いなく今年サマーシーズンの映画のベスト」
 「見終わった後に、生きている今の時間を愛おしむ感情を抱かせてくれた、希有な作品だ」
 「今の邦画界においての最高級の作品」
 「心から納得の10点満点です」

 そうそう。
 本家「時をかける少女」についての記事は旧ブログから削除しているが、エクスポートしたファイルがあったのでそのまま転載してみよう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 何度も何度も繰り返して観る映画
 筒井康隆の原作をモチーフに、大林宣彦が監督した作品
 先日、みんなのシネマレビューという映画批評サイトを覗いたところ、かなり評価が低いようでした。
 私は、この映画を劇場公開で観ました。
 あまりの感動に、映画が終わっても動けなかったことを覚えています。
 映像や特撮は、今のレベルで言うと問題にならないほどつたないと感じます。
 しかし、そのつたなさがかえって、いい味を出しています。
 原田知世のストレートな演技、そして、日本的(尾道)な情景の描き方、音楽すべてが気に入っています。

 この映画には、印象的な挿入歌があります。 
桃栗三年 柿八年 ゆずは九年で成り下がる 梨の馬鹿目が18年 
愛の実りは海の底 空のため息 星くずが ヒトデと出会って 億万年

 この歌を、当時、何回も口ずさんでいて、「お前、変な歌知っているなあ」と言われていました;;
 大林映画ならではの叙情性が感じられる、とても好きな映画です。

※ お詫び
 この記事で紹介した「アニメ版 時をかける少女」のリンクは誤っていました。現在劇場公開中でDVDは発売されていないようです。amazonの「商品の説明」はアニメ版のものとなっていて勘違いしました。(この件に関してはamazonにはメールで問い合わせ中です) 

※ amazonアソシエイトページを確認したところ、私のリンクから1名の方が購入されていました。大変申し訳ありません。
現在amazonに問い合わせ中ですが、amazonで対応不能であれば私の責も大きいので、弁償あるいは買取をさせていただきます。本当にご迷惑をかけてしまい申し訳ありませんでした。
該当される方は、管理者モード等でご連絡お待ちしています。
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ブログならではの好企画

2006/08/13(日) 00:43:12

 「空中ブランコ乗りのキキ」という短編をご存知でしょうか?
 戯曲家の別役実さんが書いたお話です。

 なんとももの悲しくて不思議な味を持ったお話です。
 このお話の続編を書いてみるという企画が、piaaさんのブログで今年2月に立ち上がりました。
 発端は、piaaさんの娘さんが学校の先生に「続編を考えて」と言われたことから始まったようです。

 私のブログは一応、「小説ブログ」なんてリンクを貼っていることから創作に興味がある方がずいぶんと訪れてくれます。
 ですから、もし興味がある方は是非この企画に参加してみませんか?

 もちろんROMだけでもけっこうですし、原作がどういうふうに変容?していくのかを楽しむだけでも充分だと思います。

 いままでpiaaさんをはじめ6人が挑戦しています。
 発表順にリンクをしておきますので、ぜひお楽しみください!(あえて感想などは書きません)

1 piaaさん「続:空中ブランコ乗りのキキ ①ピピ編 」 
 原作が読めますので、まずはじめにこちらを。
 ピピを主人公として、魔女のお婆さんを脇役としています。

2 続・空中ブランコ乗りのキキ ②ロロ編 RINRIN作
 こちらはpiaaさんの娘RINRINさん作。
 ピエロのロロを主人公としています。
 やはり、あのお婆さんが重要な役柄となっています。

3 イーゲルヒュッテさん作「続空中ブランコ乗りのキキ」
 ピエロのロロと団長がいなくなってしまったキキを想う…。

4 リリーブルーさんの「空中ブランコ乗りのギギ」
 キキには、隠し子の「ギギ」がいた!
 そのギギの物語り

5 あきららさんの「波止場のルルー」 
 魔女のおばあさんとキキの父ルルーを…

6 最後に私の作品空中ブランコ乗りのキキ(創作続編)
 これは右のサイドバーにつけているものと一緒です。
 自分で、こんなことをやるのですから、ちょっとは上手く書けたと思っているのです! ご容赦を。

 この企画は、自分で書いてみても、そして他の方の作品を読んでもとても面白かった。
 子供のころを思い出すと、たとえばグリム童話、イソップ物語なんかを読み終わっても、まだ自分の頭の中でまだ主人公が生き生きと活躍していたり、あるいは勝手なシナリオを創って不幸な目にあった主人公をハッピーエンドにしてしまった経験がずいぶんとあります。
 
 最近私は、二次創作というジャンルがあることを知りました。
 「続編」とは若干違うのでしょうけど、新たな息吹を与えるといった意味では共通のものなのでしょう。 

 新たな参加者、あるいは新たな「お題」を募集中です!
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ドッジボール3~ふたりの声

2006/08/10(木) 21:47:10

 ふたりのお友達を失ってしまい、あたしたちのクラスはなにかしぼんだ風船のようになってしまったようです。
 ふたりの机は、まだそのままです。
 ずっと、その机にお花を飾っていましたけど、みんなの提案でそれもやめました。
 
 もうすぐ夏休みです。
 梅雨も明けて、太陽の光が教室のまどから射し込んできます。
 でもみんなの心は晴れませんでした。
 国語の授業を受けていても、休み時間になっても、体育の授業を受けていても、放課後にお友達とおしゃべりをしていても、あたしたちは健太君と剛君のことが頭から離れることはありませんでした。

 ふたりを見たのは、あたしが最初だったと思います。
 とても天気がいい日のお昼休みに、剛君と健太君が教室にいました。
 それぞれの席に座っています。
 あたしはなにか幻でも見たのかなと思っていました。
 でも本当にふたりはいました。

 剛君が健太君に近寄って、なにか楽しそうにしゃべっています。
 健太君も笑いながら楽しそうにしています。
 そういえば健太君の笑顔を見たのは初めてです。
 剛君と健太君は笑いながら健太君のノートをのぞき込んで、ふたりで一生懸命なにかを書いています。
 あたしは、ノートに何を書いているのか知りたくてふたりに近寄りました。
 すると、ふたりの姿は陽炎のように消えてしまいました。

 ふたりを見たのはあたしだけではありませんでした。
 だんだんと増えていき、とうとうクラスメイト全員がふたりの姿を見るようになりました。

 ふたりは、突然クラスにやってきます。
 あたしたちクラスメイトが元気をなくしたような時にくることが多いような気がします。

 いつでもふたりは仲良しです。
 剛君が健太君を肩車したり、あのポプラの木の下でドッジボールを投げ合ったり、かけっこをしたり…そしてふと気づくといなくなってしまいます。

 あたしたちは、ふたりに話しかけることはできません。
 そしてふたりもあたしたちに話しかけてはきません。

 ふつうだったら、いなくなってしまったふたりの姿を見れば怖く感じると思うかもしれません。
 でも、あたしたちは平気でした。
 ふたりは、落ち込んでしまったあたしたちのクラスを勇気づけようとしてくれているんだと感じていました。
 クラスメイトは、ふたりがやってきて仲の良い様子を見せてくれるのを本当に楽しみにしていました。

 期末試験も終わりました。
 夏休みに入る前に、またクラス対抗のドッジボール大会があります。
 剛君がいないので、今度はあまりいい成績は残せないと思いました。
 でも一生懸命練習しました。
 あのふたりは試験前からあたしたちのところには来てくれなくなってしまいました。
 お友達の中には、もうふたりとも来ないかもしれないねと言う子もいます。
 あたしは、あのふたりはいつまでもずっとあたし達と一緒にいてほしいと思っていました。

 いよいよドッジボール大会です。
 練習の成果が出たのでしょうか、あたしたちは危なっかしかったのですけど何とか勝ち進んで、とうとう決勝戦まで進みました。
 でも、相手はすごく強いクラスです。
 とても勝てそうにはありません。

 ひとりひとりとボールをあてられてしまって味方のコートから仲間が消えていきます。
 男子はずいぶんと頑張ってくれました。
 でも、もう限界です。
 コートの中には、あたしと男子3人しかいません。
 もちろんあたしは戦力なんかじゃなくて、そう、あの時の健太君のように逃げ回っているだけでした。
 
 なんとかひとり残った男子が頑張ってくれて、相手はひとりだけになりました。
 味方のコートにはその男子とあたしのふたりがいます。
 相手のコートからすごいスピードのボールが飛んできました。
 そしてそのボールは男子の顔に直撃してしまいました。
 痛そうに顔をおさえてコートから出て行きます。

 あたしひとりになってしまいました。
 もうダメです…

 その時、声が聞こえました。
 「ほら右に除けて」
 …あっ、剛君の声だ。
 あたしの体は自然とその声のとおり右に動いていました。
 その脇をボールが飛んでいきます。

 「しゃがんで!」
 …今度は、健太君の声です。
 あたしの頭の上をボールが飛んでいきます。

 「逃げちゃダメだ。ほら胸の前でボールを受け止めて!」
 ふたりの声が重なって聞こえてきました。
 あたしはなんとかボールを胸で受け止めることができました。
 胸がジーンと苦しく感じます。

 「前に走って。そして敵の足もとをねらって!」
 …またふたりの声です。
 あたしの体は自然とふたりに言われたとおりに動いて相手の足もとをねらってボールを投げました。

 次の瞬間、クラスメイトの大きな歓声が聞こえてきました。
 あたしはみんなにもみくちゃにされてしまいました。
 そうです。あたしのクラスが優勝したんです。

 まだ興奮しているみんなの輪を抜けて、あたしはあのふたりの姿を探しました。
 ふたりは肩を組んで校門の方へ向かって歩いています。
 後ろ姿ですけど、とても仲良さそうで、そして満足そうです。

 あたしは、大きな声で「健太君、剛君」と呼びかけてみました。
 すると、ふたりはあたしの方を振り向いて笑顔でうなずいてくれました。

 そして、またとても仲が良さそうに肩を組んで校門から外に出て行きました。
 
 あたしは、校庭を後にしてあのポプラの木のところに行きました。
 細い枝と太い枝には、今まで以上に青々とした葉がたくさん生い茂っていました。
 あたしは太い幹に頬を寄せて、ずっとずっとあのふたりのことを想っていました。

【ドッジボール 完】

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ドッジボール2~太い枝

2006/08/10(木) 20:50:09

 あたしたちクラスのみんなは、とてもショックを受けました。
 クラスメイトがいなくなってしまったのです。
 でも健太君をあたしたちは、ちゃんとクラスメイトとして、お友達としてつきあっていたのでしょうか?
 剛君がいじめている時に、止めることもしませんでした。
 心を開かない、いいえ開けない健太君とお友達になる努力をしませんでした。

 剛君は、その日以来、学校に来てもなにもしゃべらないで、ずっと机に突っ伏したままでした。
 給食も食べません。
 そんな姿を見ても、あたしたちはなんて声をかけていいのか分かりません。
 剛君だけの責任ではないと思います。
 授業が全部終わってもみんなが帰るまで、剛君は机に突っ伏したままです。
 教室の中には、あたしと剛君だけになってしまいました。
 そろそろ下校のチャイムが鳴るころです。

 あたしは、思い切って剛君に話しかけました。
 「剛君、あなただけが責任を感じることはないのよ。あたしたちみんなが悪かったのよ。健太君のためにも剛君がしっかりして」
 剛君の肩が震えて、大きな嗚咽が聞こえてきました。
 それはいつまでも続いて、あたしはただ剛君の背中に手を当てることくらいしかできませんでした。
 そんな状態が3日間も続きました。
 担任の先生もどうすることもできないでいます。
 
 そして4日目の朝、剛君は自分の席にはいませんでした。
 でも、学校にはいました。
 中庭にあるポプラの枝に健太君と同じように破いた体操着を巻き付けて…

 まだ、ポプラにはまだ葉が少ししかなかったので剛君もすぐに発見されました。
 あたしは、後でそのポプラの枝を見に行きました。
 その枝は、とても太くて丈夫そうでした。
 でも剛君はとても大きい体なんです。
 だから、あたしは何でこの枝が折れなかったのだろうと悔しく思いました。
 剛君のあの立派な体を思い出したとたん…涙があふれて止まりませんでした。
 
ドッジボール2 了 つづく】
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ドッジボール1~細い枝

2006/08/10(木) 20:31:51

 学校の中庭に大きなポプラの木があります。
 今は、青々とした葉が太い幹を隠すように生い茂ってます。
 あたしは、このポプラの木を見つめる時間がずいぶんと長くなってきました。
 もうすぐ夏休みです。
 
 健太君は体が小さくて、そして勉強の方も苦手なようでした。
 いつも、教室の中で小さな体をもっと小さくするようにして、まるで机に隠れているようでした。
 クラスメイトもあまり健太君とお話するような子はいませんでした。
 いつもなにかノートに向かって書いていました。
 マンガでしょうか。
 隠すようにしていたので誰もなにを書いていたのか見た人はいませんでした。 

 こんな健太君がいじめられっ子になるのは時間の問題でした。
 体が大きくて、そして勉強もできる剛君はいつも健太君をいじめていました。
 剛君だけではありません。
 他のお友達もそうでした。
 でも剛君のいじめ方は執拗だったのです。
 
 まだ寒いころ、クラス対抗のドッジボール大会がありました。
 男子と女子の混合チームです。
 あたしのクラスは、3回勝って決勝戦に進みました。
 スポーツ万能の剛君を中心に特訓してきたから優勝する自信がありました。
 でも決勝戦は、苦戦してしまい、あたしたちのチームで生き残っているのは剛君そしてあの健太君だけになってしまいました。
 それはそうです。
 健太君は、コートの中をただひたすら逃げ回ってばかりいたし、相手もそんな健太君はねらわなかったからです。

 剛君は、ひとりで大活躍して相手をひとり、またひとりと倒していきました。
 それはそれは頼もしい姿でした。
 健太君は、体の大きな剛君に隠れるように逃げ回っているだけでした。
 相手があとひとりとなった時、飛んできたボールをよけようとした剛君が健太君とぶつかってしまいました。
 ふたりは倒れてしまって、そして…あたしたちのクラスは優勝できなかったのです。

 それから剛君のいじめはエスカレートしていきました。
 「お前なんか、いなくなってしまえばいいんだ」
 そんな言葉も聞きました。

 そんな言葉を聞いた翌日、健太君は、本当にいなくなってしまいました。
 いいえ、学校にはいました。
 中庭にあるポプラの枝に破いた体操着を巻き付けて…

 その頃は、ポプラにはまだ葉が少ししかなかったので健太君はすぐに発見されました。
 あたしは、後でそのポプラの枝を見に行きました。
 その枝は、とても細くて今にも折れそうでした。
 あたしは何でこの枝が折れなかったのだろうと悔しく思いました。
 でも健太君のあの小さな体を思い出したとたん…涙があふれて止まりませんでした。

【ドッジボール1 了 つづく】
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夏のいただきもの

2006/08/10(木) 14:27:47

 ネットで知り合った方から嬉しい便りがありました。
 宮沢賢治の「風の又三郎」絵はがきです。
 そして、四つ葉のクローバーも添えていただきました。
 絵はがきは6枚あって、どれも懐かしい日本の風景が描かれています。
 全てアップしたいのですが著作権などの制約があるはずですのであきらめます。
 ほんとうにありがとうございました。
 とてもうれしかったです。

 絵はがきの絵を見ていると、なにかオハナシがつくれそうな気がしてきました。
 素敵な絵を見つめながら、頭の中で言葉がつながりあうのを待っています。
 

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夏祭り

2006/08/09(水) 23:28:40

 夏祭り、盆踊り、お祭りの妙な高揚感ってのはよくわかる。
 まだ素直で無邪気だった子供の頃はその一種独特な興奮の中に飛び込んでいったものだ。

 祭りの準備、祭りを待つ日々。
 そして祭りが始まる朝、夜になって迎える祭りのクライマックス
 思い出しても心が躍るようだ。

 今は祭りに行くようなことはなくなってしまった。
 騒々しさ、いかがわしさ、息が詰まりそうな興奮…
 
 祭りの後が好きになってきた。
 一夜明けた何とも言えないむなしさ、静寂、安堵感、虚脱感…そんなものに風情を感じるようになってしまった。
 
 かなり重傷かもしれない。 
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旅の重さ

2006/08/09(水) 21:55:12

旅の重さ 旅の重さ
高橋洋子 (2005/10/29)
松竹
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 1972年の作品。監督は、かつて映像派と称されていた斎藤耕一
 かなり古い映画です。
 16歳の女の子(高橋洋子)が、家族、学校生活から逃れるためお遍路さんをまねて四国を旅する…簡単に書くとこんな内容。
 私が以前書いた「妄想旅日記」の記事は、この映画からかなりの影響を受けたものだ。
 
 いつ私が観たのか、よくは覚えていないが高校生くらいだったろうか。
 たまたま昼のテレビでやっていた。
 途中からだったが、あっという間にその世界に引き込まれた。
 日本の田園風景、季節感、そして旅芸人、行商人との出会い。
 なにもかもがみずみずしく、そして詩的な映像。
 
 私が邦画に求めるのは、スペクタルでも現代風ラブストーリーでもなく、ちょっと湿っているのにさわやかで、そして蝉の声が聞こえてくるようなもの。(意味不明ですね)
 終盤出てくる秋吉久美子の可憐さは特に印象が強い。
 かなり不正確だが彼女は岩波文庫を読んでいて、「いろんなことを知ると怖くなってしまう」という言葉を残して命を絶ってしまう。こういった忘れられないシーンがたんたんと描かれている。
 原作(素九鬼子)のすばらしさに負うところもあるだろう。

 吉田拓郎の「今日までそして明日から」は名曲でこの映画にみごとにとけ込んでいる。

 私の中ではベスト3に入る邦画
 今の日本が好きになれず、ちょっと前の日本が好きだった方、そしてひとり旅に出てみたいと夢見ているすべての方に薦めます。
映画記事全文トラックバック数:0コメント数:2

ちからを抜く

2006/08/08(火) 22:05:40

 ヨガはあいかわらず続けています。
 中には、きついポーズもあってついつい力まかせになってしまう。
 付属DVDでは講師が、本当にタイミング良く、「肩の力は抜きましょう。呼吸はあくまでも自然に。リラックスして。穏やかな呼吸をするために体を動かしているのです」などなどとアドバイスをしてくれます。
 
 こういったトレーニングをしていると力を入れるよりも、力を抜く方が難しく感じる。
 たった1週間程度の初心者のくせして、ヨガとは、「緊張と弛緩」なんだなあと感じる。
 緊張した体の状態であっても、あくまでも穏やかな呼吸を続けることが大切のようだ。
 
 瞑想法も続けている。
 ただ静かにゆったりした鼻呼吸を繰り返しているだけで、もちろん瞑想なんて境地には至っていない。
 目を閉じて、無我の境地を…などと考えても、「あっ、そう言えば明日の仕事はどうしようかな」だとか、「そういえばメダカに餌をやらなきゃ」だとか、しょうもないことが脳裏に次々と浮かんでは消え、まったくもって瞑想どころではない。
 しかし、先日紹介させてもらった瞑想法の本にはCDが付属していて、講師のゆったりした声と美しい音楽に身をゆだねているだけで意外と心地よいものです。

 まだまだ効果は現れていないが、時々、姿勢が良くなったかな、腰痛が治まってきたな、気持ちがちょっとは軽くなったかな…なんて感じることがある。
 
 力を付ける、力を入れるということはもちろん体のためにはとても大切だと思うが、力を抜く術(弛緩)も同じようにとても大切なことだと思う。
 これは精神の面でも同じことだろう。
ヨーガと私;;記事全文トラックバック数:0コメント数:2

さかあがりの夜 完結編

2006/08/07(月) 20:44:50

 落ちるっていっても、だんだんと地めんが遠くなっていくんでボクは空を飛んでいるようなへんな気ぶんになった。
 すごいはやさでうかんでいくってかんじかな。
 あっ、雲の中にはいったぞ。
 なんだ、つめたいな。雲をとおりすぎたらボクのかみの毛も体そうぎもびちゃびちゃになっちゃったよ。

 どこまでいくんだろう。
 このままじゃ、うちゅうに行っちゃうんじゃないのかな?

 あれ、落ちるスピードがおそくなってきたぞ。
 そして、まわりがだんだんとくらくなってきた。

 ああ、ボクはまた鉄ぼうをにぎっている!
 なんでだろう。
 また地きゅうに戻ったのかな?
 ちがう、みんながいるところにやっと着いたんだ。
 でも、どこに着いたんだろう?

 鉄ぼうをにぎって、まわりを見ると、いちばんさいしょにひろこちゃんを見つけた。
 さっきと同じようにボクのそばに立って、「太郎ちゃん、さあわたしたちに鉄ぼうを教えてね。」と言うんだ。
 男子も女子も、うすぐらい校ていの地めんにすわってボクのほうを見ている。
 なんで、こんなに暗いんだろう。
 先生なんて、たいまつをもって明かりのかわりにしているよ。
 先生は、「さあ、太郎。みんなにおてほんを見せてあげなさい。」って言ってるし…

 ここはどこなんだろう。
 みんな地めんから落ちてきたくせに、なんにもふしぎに思っていないようだ。
 それにさっきまでひるまだったのに、もう夜みたいだし。

 ボクはできるはずはないと思いながらさかあがりをやってみた。
 クルクルクル、あれれ、もういっかい、クルクルクルっと。
 そして、フィニッシュ、みんなの前にストっとちゃく地。

 すごいはくしゅだ。
 みんなボクの方にかけよってきて、もみくちゃにされちゃった。
 それから、ボクはひろこちゃんにひっぱられて、たいまつをもった先生のほうにかけよっていった。
 そして先生をかこんで、みんなで輪になった。
 もちろんボクのとなりは、ひろこちゃんさ!

 ひろこちゃんは、ボクの耳元で、「ねえ、太郎ちゃん、上を見てごらん。」と言った。
 ボクとひろこちゃんが空を見あげると、とおくとおくにきれいな青い星がうかんでいた。 

 (さかあがりの夜 完)

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さかあがりの夜 1

2006/08/07(月) 20:14:36

 学校はだいすきなんだけど、どうしてもいやなじかんがあるんだ。
 それは体いくのじゅぎょうなんだけど、その中でもボクは鉄ぼうがだいきらいなんだ。
 どうしても、さかあがりができない。
 なんでだろう、ボクよりおでぶさんのとむ君だってできるし、ぼくよりちっちゃなさえちゃんだってできるのに。
 うーん、くやしいな。

 きょうも、ボクはみんなの見ているまえで、さかあがりのとっくんをうけている。
 あーあ、はずかしい。
 男子は、「おい太郎、おまえだけだぞできないのは」なんていうし、女子も、ぼくがてつぼうからおちるようすを見ては、クスクスわらっているよ。
 先生は、「ほら太郎、こしをもっともちあげて。回てんさせろ」なーんて、そんなことができてたらぼくはもうとっくにさかあがりをできてるよ。

 やさしいのは、ひろこちゃんだけだ。
 ぼくのちかくにいて、「太郎ちゃん、太郎ちゃんはぜったいできるのよ。じしんをもってがんばって。」なんて言ってくれる。
 ひろこちゃんのためにも、がんばらなきゃ。
 もう、手のひらにはあせをたくさんかいて、鉄ぼうからまたおちそうだ。
 そうか、こしをもちあげてって言ってたな。
 そして回てんして…うっ、もうすこしでできそうだ。
 すごく体がかるくなって、ボクは鉄ぼうをにぎりしめて1回てんしていた。
 なーんだかんたんじゃないか。
 ボクは、とくいになってみんなのほうを見た。

 グワーンっていうばくだんのような音がした。
 みんな空にむかってロケットのように飛んでいた。
 男子も女子も、そして先生も…。
 あっ、でもちがう、飛んでいるんじゃなくて空にむかって落ちていた。
 地きゅうがさかさまになっているんだ。
 上と下が逆になってひっくりかえっている。
 ボクの体が空に引っぱられている。
 うわー、地きゅうがてんぷくしちゃったよ。
 あわてて鉄ぼうにしがみついた。
 ちかくの砂ばからは砂が…サッカーゴールも…やきゅうのベースも…なにもかが落ちていった。
 校しゃのガラスが割れて、まどからつくえやイスが落ちていく。

 どうしたんだろう。ちきゅうには引りょくがあるってならったことがある。
 それは地めんというかちきゅうの中しんに引きよせるちからだってきいたのに。

 でも、落ちるっていっても、みんなはどこに落ちたんだろう?
 うちゅう?雲の中?それとも太ようへ?

 そんなことより、もうボクは鉄ぼうにつかまっているちからがなくなってきちゃった。
 でもボクは落ちたくない。

 とおーくのほうから声が聞こえてきた。
 「太郎ちゃーん、早く来てね。みんなまっているわよー。」
 そう、ひろこちゃんの声だ。 
 おそるおそる空を見上げて、あっとちがうか。見下げてみた。
 青空に雲がたくさんうかんでいる。
 だれのすがたも見えないや。

 こわかったけど目をつぶって鉄ぼうから手をはなしてみた。
 ボクは、まっさかさまに空に向かって落ちていった。

(さかあがりの夜1了 つづく)
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言葉のちから

2006/08/06(日) 23:33:39

歴史に興味があると以前gooブログで書いたが、それ以降も書店に行くと自然と歴史解説書コーナーに立ち寄る。
 私のレベルでは、「一週間で分かる世界史」といったタイトルの初心者用解説書を選ぶ程度だ。
 素人なりに言ってしまえば、歴史ってのは戦争…殺し合い、奪い合い、つまり争いの中で生まれたものという印象が強い。
 もちろん文化史、経済史、宗教史…もろもろの側面があるのだが、これらのものも争いから生まれた副次的なものに感じてしまう。
 戦争があったからこそ文化が生まれた・新たな科学技術が生まれた・経済が発展したといったことは既に指摘されている。

 ここで知ったかぶりの戦争論を展開しようとは思っていないし、もちろんそれだけ歴史を研究しているわけではない。
 下の本は、太平洋戦争がなぜ起こったのか?その時の政府はどのような動きをしたのか?を詳説している。

 当時の戦陣訓に「生きて虜囚の辱めを受けず、死して罪禍の汚名を残すこと忽れ。」という言葉がある。
 前段の方は、今も年配の方が使っているのをたまに聞くことがある。
 この「言葉の力」で何人の兵士が命を自ら落としたのだろうか。
 この場合には、言葉の力が悪い方向に働いてしまっている。
 しかし、命を捨て去るだけの力が言葉にあるとしたなら、命を救う力も言葉にはあるはずだ…この本の本筋とは外れてそんな印象を持った。  
あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書 あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書
保阪 正康 (2005/07)
新潮社
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東京裁判 東京裁判
東京コンサーツ、 他 (2004/08/04)
キングレコード
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この映画は、終戦後2年6ヶ月もの歳月を費やした極東国際軍事裁判の記録映画。
 DVDを購入して2日がかりで観た。
 感想は…いろいろ書きたいことがあるが、私の感想は「被告」側に立ったものになってしまうので控えておこう。
 この作品は、ある程度、当時の歴史を知ってから観て欲しい。
 そうすることで理解が深まるはずだ。

 たった60年前に、私たちが暮らしているこの国の人間が撃たれ、焼かれ、万歳しながら死んでいった歴史をもっと知ってみたい。 
 そして、タイトルの「言葉の力」について、もっと考えてみたい。
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粗筋男 登場!

2006/08/02(水) 22:26:46

 文学でも大長編ってのは苦手で、できるだけ短くて、なおかつ面白い小説が好きだ。
 だって、そのほうが読むのが楽だし、なにしろ時間の節約になる。
 DVDで映画を観るときだって、なにやら時代背景だとか説明的な場面はすっ飛ばして、派手なアクションシーンやら感動シーンだけを観たいと思う。
 
 そこでここからが本論
 俺は、毎日毎日、同じような生活を金太郎飴のように繰り返している。
 ほぼ変化はないつまらない生活を送っている。
 でもわずかだが1年に1回くらいは、思いがけずうれしいことや楽しい出来事に遭遇することもある。
 俺のブログを読んでくれるようなセンスの良い方であれば、もう俺が何を言いたいのか分かるだろう。
 えっ、オチまで分かるって?
 まったくおちおちしていられないもんだ。

 それはさておき…
 ようするに俺の人生も取るに足らない日常が早送りできたり、そして良い場面をサーチしてコマ送りできたり、スローにしたり、リピートしたりできないだろうか?
 
 こんなことを考えていると、いきなり粗筋男が俺の前に現れた。
 そんなの都合が良すぎるって言われるのは分かっている。
 しかし、これはあくまでも俺の「創作」なんだから我慢して欲しいところだ。

 粗筋男は、俺に言った。
「あなたの望みはよーく分かります。ええ、つまらない日常を過ごすよりも、手っ取り早くあなたの人生のクライマックスを体験したいでしょう。ええ分かりますとも。どうですか、ここにあなた専用の『クライマックスリモコン』があります。今は夏のキャンペーン中なので無料で差し上げますよ!」

 粗筋男が差し出したそのリモコンは、俺の家にあるテレビのリモコンなんかよりもちゃちで、ボタンも3つしかついていない。
 おまけに、そのボタンにはそれぞれひらがなで「すすむ」「はやおくり」「おわる」なんて表示がある。

 粗筋男は、「まあ、あんたのために作ったようなもんだよ。
 じゃあ、このリモコンであんたの人生の粗筋を味わってみるこったな。」

 なにか投げやりな言葉を残して粗筋男はリモコンを置いて消えてしまった。

 俺は、リモコンを手にしてしばらく考えていたがつまらない日常から解放されるのならと思いそのリモコンをとりあえず使ってみることにした。
 どうやって使えばいいんだろう。
 俺は、まるでロシアンルーレットのようにリモコンをこめかみに向けて使ってみることした。

 まずはじめは「すすむ」だ。
 …なにも起こらない。
 これは単なる通常再生モードなんだろう。

 次に「はやおくり」を押してみた。
 おおっ!これはすごい。
 頭の中で、俺の日常生活がすごいスピードで流れていく。
 これは、たぶん俺の人生にとって画期的な場面をサーチしているんだろう。
 どんな楽しいことが待っているんだろうか。

 しかし、そのサーチが止まることはなかった。
 なにも起こらないまま、日常が繰り返され、そして俺がどんどん歳をとっていくだけだった。

 このままでは…。
 
 俺は、あわてて「おわる」ボタンを押してみた。
 早送りの映像がだんだんと遅くなり、ほぼ通常のスピードに戻ってきた。

 気が付くと俺は、リモコンを握って倒れていた。
 髪の毛は伸び放題で真っ白になり、体もやせ細っている。
 もう肺の力がないんだろう呼吸もろくにできない状態だ。

 早送りしても何もない人生が終わろうとしていた。
 粗筋男の野郎、「巻き戻しボタン」がついてないリモコンを俺に渡しやがっったな。

 まあ俺にとっては時間の節約だったかな…そんなことを考えていると俺の手からリモコンが滑り落ちて暗黒に包まれた。 
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時男 登場!

2006/08/02(水) 22:26:21

 どうしようもなく悲しい出来事があった。
 簡単に言うと彼女にふられてしまったのだ。
 彼女は俺の全てだった。
 
 なにもする気がなく目の前が真っ暗になってしまった。
 真っ暗っていうのは比喩でもなんでもない。
 本当に、網膜にカメラのキャップをかぶせたようにブラックアウトしてしまった。

 そんな俺の前に、時男が登場した。
 唐突な話だが、とにかく時を操る時男がやってきたのだからあまり深く考えないで欲しい。
 
 時男は言った。
「ほう、かなり重症のようだな。これは時間が解決するしかないよ。まあだからこそ俺が来たんだけどね。どうする?一気に時間を早めてみるかい?」

 それしか方法はないと思った。
 こんな状況から抜け出すことができれば藁にもすがりたいところだった。
「お願いします。早く俺を救ってください。」

 時男は、ニヤリと笑って、
「そうかそうか分かった。ところで君は見たところ20代のようだが、時を早めるってのは君の人生が短くなるってことだがそれでもいいのかね。」 

 俺は、
「それでもかまいません。どうせ俺の人生なんて・・・」

 俺の言葉が終わる前に、時男はなにやら広辞苑のように分厚い本を見ながら呪文を唱えはじめた。
 目の前にいる時男の姿が陽炎のようにゆらめくと俺の意識が遠のいていった。
 
 そういったわけで俺の心の中にあった悲しい気持ちはすっかりとなくなってしまった。
 そういえば、あんなこともあったんだなあ、彼女はどうしているのかなあ・・・くらいにしか感じない思い出のひとつになった。

 どうやら今の年齢は50代後半のようだ。
 あの悩みを癒すには30年以上が必要だったってことだろう。

 もし普通に生きていたら、あの悩みを背負って苦悩の毎日を過ごしていかなければならなかったはずだが、反面、新たな出会い、新たな喜びなんかも当然あったはずだ。
 俺は、そういったものも一緒に捨て去ってしまったのだ。
 ひとつの悩みから解放されるための30年、そして失われた30年。
 
 正直なところ後悔していた。
 またあの30年前に戻り、苦悩を抱えながらも自分の力で生きていきたかった。
 
 だから俺は、こうして時男が再び現れるのを待っている。
 時男に頼んで30年前に戻してもらおう。
 どうすれば時男は来てくれるんだろう。
 
 …今日も時男はやってこなかった。

(gooブログから転載。ちょうど次の記事「粗筋男 登場」っていう変なショートショートができてしまったので、これもアップすることにします。確実にスランプです;;)
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よがってます;;

2006/08/01(火) 22:23:50

 ヨーガというようりも、もだえてヨガっていると言った方がいいかもしれません。
 まだ始めて数日しか経っていないのでDVDに合わせて畳の上でのたうち回っているだけです。
 誰かが見たらおそらく海岸に上がったトドに間違われてしまうでしょう;; 
DVDで覚えるシンプルヨーガLesson DVDで覚えるシンプルヨーガLesson
綿本 彰 (2004/12)
新星出版社
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 先日も紹介させてもらった、この「シンプルヨーガ」という本のプログラムをやっています。これは通しでやると90分程度のレッスンになります。
 私にとってはかなりきつい内容ですが、ひとつのポーズを除いては、なんとかかんとか付いていくことができます。
 ふたりの女性モデルがいて、体が硬いひとが初心者役となっているのでとてもわかりやすい。
 それと講師の綿本彰氏が、歌手の槇原 敬之氏に似ていて親しみ?がもてます。
 ヨガで一番大事な呼吸法から始まるので初めての方には良いのではないでしょうか。
 
Yogaではじめる瞑想入門 / 綿本 彰 私が購入したもう一冊は同じ著者の「瞑想入門」です。これはかなり観念的内容で、特にヨガポーズを指導するものではなく、正座あるいは胡座で瞑想するといったものです。私にとっては、かえって難しく感じますが、心地よい音楽と著者のナレーションによるCDを電車の中などで聴きながら呼吸法の練習をしています。体の内面を見つめることによって心の平静を獲得するといった意味では、自己暗示あるいは心理療法である自律訓練法と共通のものを感じました。体を動かすエクササイズ的なヨガ本と併読するといいと思います。
私としては、ぜひこちらの瞑想法をマスターしたいのですが今のところは、とにかく体を動かす練習をしているところです。



 
パワーヨーガ本格エクササイズ―綿本彰のDVDレッスン パワーヨーガ本格エクササイズ―綿本彰のDVDレッスン
綿本 彰 (2005/11)
双葉社
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 こちらは先日TBしてくれた沙羅さんが使用中?のもの。
 amazonでの評価も良いようです。

 それにしてもヨガ本のモデルは、スラリとしてとても美しい女性ばかりです。
 ヨガをやっているから美しいのでしょうか?それとも美しい人をモデルにしているのでしょうか? 
 そんな煩悩にとりつかれながらヨガっている私なのです;; 
ヨーガと私;;記事全文トラックバック数:0コメント数:6
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空中ブランコ乗りのキキ(創作続編)

キキは、穏やかな海の上をゆっくりと羽ばたいていました。
 潮の香りがする空気をふたつの翼で包みながら前に進みます。  四回宙返りを成功したときのお客さんの拍手がまだキキの耳に残っています。  三回宙返りを成功させたときよりも、大きく、賞賛と喜び、そして驚きがこもっている拍手でした。  キキは、そのことにとても満足していました。
キキは、自分が白鳥になってしまったことを受け入れることができました。  賞賛と拍手をもらい、そして、世界の誰にもできない四回宙返りができたのですから。
   キキは、ロープも網もない大空で宙返りをしてみました。  三回、四回、そしてそれ以上何回転でも、いとも簡単に宙返りができました。
 それはそうです。
 白鳥になってしまったキキにはふたつの翼があるからです。
 大空でいくらキキが上手に宙返りをしても、誰からも拍手をもらえません。  それが少しだけ残念に思いました。
   キキは、ある日の夜、こっそりとサーカスの大テントに戻ってしまいました。  もう2度と戻らないと決心していたのに、どうしてもピエロのロロや団長に会いたかったのです。
 キキは、開けっ放しだった大テントの窓からこっそりと中に入っていきました。  もう夜でしたから、出し物は終わっていて、大テントの中は暗くてガランとしていました。  2回ほど羽ばたいて、あの空中ブランコの踏み板までやってきました。
 キキは、もういちど四回宙返りをやってみることにしました。  自分の力を試したかったのかもしれません。  だから、ふたつの翼を使うつもりはありませんでした。  そして、あのおばあさんからもらった、澄んだ青い水の入った小瓶もありませんでした。
 キキは、くちばしを使ってブランコにつかまりました。  そして、あの時と同じように、大きくブランコを振って、真っ暗な天井の奥へ向かって飛び出していました。   キキは翼を伸ばしました。でも羽ばたきはしません。
  一回転します。
  また花が開くように翼が伸びて、抱き抱えるようにつぼんで…二回転。今度は水から跳び上がるお魚のように跳ねて…三回転。  しかし、三回転半したところで、次のブランコまでは届かないことに気づきました。
   ブランコの下には網も張っていません。  白鳥になったキキですから、羽ばたけば固い地面に落ちることはありません。  でも、キキは、けっして羽ばたこうとはしませんでした。  まるで猟銃で撃たれてしまった鳥のように頭から落ちていきます。
 キキは、同じようにブランコから落ちて亡くなってしまったお父さんのことを思っていました。
   …お父さん、わたしはもうすぐ、そっちに行くから、待っていてね。
 そのときでした。  落ちていくキキの体を誰かがつかみました。  つかんだのは、キキと同じような白鳥でしたが、ずいぶんと年をとっているようです。  キキは、その白鳥のクチバシで体を優しくくわえられて、ふわりと着地することができました。
 …ありがとう。お父さん。
 キキには分かっていました。  あの年老いた白鳥がキキのお父さんだったことを。
 キキの足下には、一本の真っ白い羽が落ちていました。  キキは、その羽を拾いあげました。  それは年老いた白鳥の羽でした。
 不思議なことに、キキの体からは羽がなくなっています。  そう、すっかり人間の体に戻っていたのです。
 近くから大きな拍手が聞こえてきます。そして、ライトが一斉について大テントの中はとても明るくなりました。   ピエロのロロと、団長がキキの近くにいて笑顔で拍手をしています。  そしてふたりは、泣き笑いをしながらキキを抱きしめました。
 キキの目からも涙があふれてきました。   涙をぬぐいキキが入ってきた大テントの窓を見上げると、年老いた白鳥が、じっとキキの方を見ていました。
   その白鳥は、キキを力づけるかのように大きな鳴き声をあげると海の方へと飛んでいきました。  それいらい、誰もその年老いた白鳥を見ることがありませんでした。
 キキは、サーカスのブランコ乗りに戻りましたが、やはり三回宙返りがせいいっぱいで四回宙返りは、どうしてもできませんでした。
   でも、町の人々は、まるで翼が生えたようにいっそう華麗になったキキの演技に満足して、その姿をうっとりとして見ています。  注意深くキキの姿を見ると、白い羽の髪飾りを付けています。
 キキは、この町に、そしてこの大テントに戻ってきたのです。  
 空中ブランコ乗りのキキが戻ってきたことで、人々のどよめきが、潮鳴りのように町中を揺るがして、その古い港町をふたたび活気づけました。  人々はみんな思わず涙を流しながら、辺りにいる人々と、肩をたたき合い大きくて、賞賛と喜び、そして驚きがこもっている拍手が鳴りやむことはありませんでした。

あたしの風

あの男性(ひと)がやってきたのは2学期の途中、そうです、そろそろ秋の気配を感じる風が吹き始めるころでした。   教室の大きな窓から吹き込んできた風のようにあのひとはやってきました。
 転校生でした。
本当に冷たい風のようなひとでした。  でも、あたしには、その風がとても心地よかったのです。   お風呂に入った後、お散歩に出かけた時に感じる風のように。  クラブ活動を終えた帰り道に、あの丘の上で感じる風のように。  遠足で行った高原で、あたしの頬を一瞬なでる風のように。  あのひとは、遠く遠くから風と一緒にやってきました。  この田舎町よりも、ちょっと都会だったようです。  クラスメイトも、そしてあたしも、その風が教室内で吹くことにためらいがありました。
 だって、  その風は、香りが違ったからです。
 その風は、ぬくもりがなくて冷たかったからです。
 その風は、少し湿っていたからです。
 でも、
 あたしは、その風に優しさを感じていました。
 あたしは、その風に抱かれてみたいと思っていました。
 あたしは、その風を思い切り吸い込んであたしの中に入れてみたいと思っていました。
いつもは優しいあたしのクラスメイトも、その風が教室に流れ込むことを許しませんでした。
   なぜでしょうか。
やはり、
 その風は、香りが違ったからです。
 その風は、ぬくもりがなくて冷たかったからです。
 その風は、少し湿っていたからです。
 あのひとが連れてきた風は、そのうち、すっかり弱々しい風になってしまいました。
 もう風ではなくて、教室にある普通の空気に混ざってしまい、あの香りはなくなってしまいました。  クラスメイトも、馴染めなかった新しい風が吹かなくなって安心しているようでした。
    3年生になっても、あたしはあのひとと同じクラスになれました。  もう、あのひとには、あたしの好きな風を感じることができません。
そして、その日は、突然やってきました。  やっぱり、2学期の途中、そろそろ秋の気配を感じる風が吹き始めるころでした。   朝のホームルームの時間に、あのひとは教室の前に立って、みんなに別れの挨拶をしていました。  あのひとは、やってきた時とくらべると全然元気がなくて、まるで空気が抜けた風船のようにしぼんでしまったように感じました。  通り一遍のあいさつが終わりました。  その時、あたしは、あの心地よい風を肌に感じていました。  だから、あたしは立ち上がって、開けっ放しだった教室の大きな窓を急いで閉めました。
   この風は、絶対にこの教室から出したくありませんでした。
 だって、  あたしは、その風に優しさを感じていました。
 あたしは、その風に抱かれてみたいと思っていました。
 あたしは、その風を思い切り吸い込んであたしの中に入れてみたいと思っていました。
 あのひとは、そんなあたしの姿をちらっと見ると、大きなスポーツバッグを持って、ほとんど無表情で教室から出て行ってしまいました。
 あたしのことを、クラスメートが不思議そうに見ていましたけど、そんなことはかまいませんでした。  徐々に、あのひとの風が教室から消えていってしまいました。
 なぜだか説明はできないけれど、あたしは教室から出て、あのひとの後を追いかけました。  あのひとの姿はみえなくても、あのひとの後には、あの素敵な香りが残っていました。
 あのひとは、あの丘の上に立っていました。  そこには、強い風が吹いていて、あたしは今にも吹き飛ばされてしまいそうでした。   やっと、あのひとのそばにたどり着きました。  あのひとは、あたしに向かって言いました。  でも風が強くて、とぎれとぎれにしか聞こえてきません。
「ぼくの… 風はきみに… でも… ここから離れても… いつか…きみと… この風に気づいたら… いいかい?」
 あたしは、
「もちろんよ。あたしをあなたの風で包んでちょうだい。そして、一緒に連れていって。」
 こう言って、目を閉じました。  すると、風があたしの体をすっぽりと包んでいることに気がつきました。
 その時、
 あたしは、その風に優しさを感じていました。
 あたしは、その風にもっと長く抱かれてみたいと思っていました。
 あたしは、その風を思い切り吸い込んであたしの中に入れてみました。
 風がだんだん弱くなって、心地よい香りだけがあたしのそばに残っていました。  目を開いて見ると、あのひとはいなくて、丘の下、遠くの方で土埃が舞っているのが見えました。  それ以来、あのひとと連絡はとれていないし、どこにいるのかも分からなくなってしまいました。
 でも、あたしは時々、あの丘で風が吹くのを待っています。
 あのひとは、絶対にあたしを迎えに来てくれるはず。
 その時には、優しい風に抱かれて、そしてその風を思い切り吸い込んであたしの中に入れてみようと思っています。  あのひとは、それを許してくれるはずです。
   優しい風であたしを包んで、あなたの住む街に連れていって…。 

My Emotional Supports

好きな作品を集めてきました。

マイク・オールドフィールド初期の傑作
まだ見ぬ風景を見たい方へ
Incantations
Incantations

こんなコンサートはマイクにしかできません
まさしく尋常ではない盛り上がり
アート・イン・ヘヴン・コンサート ザ・ミレニアム・ベル-ライヴ・イン・ベルリン
アート・イン・ヘヴン・コンサート ザ・ミレニアム・ベル-ライヴ・イン・ベルリン

レムといえばこの作品
その世界に身を委ねてください
ソラリス
ソラリス

筒井作品としてはマニア度が問われるものです
筒井上級者?に薦めます
脱走と追跡のサンバ
脱走と追跡のサンバ

筒井康隆 七瀬シリーズ3部作
こちらはどなたでも楽しめます 1作読むごとに感動が増していきます 人間心理・家族心理への深い洞察
家族八景 七瀬ふたたび エディプスの恋人
家族八景
七瀬ふたたび
エディプスの恋人

ディックを読むと現実世界が急に危ういものになってしまいます
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

人生で必要なことはすべてここに書いています
毎日1ページでも読みたい本
7つの習慣―成功には原則があった!
7つの習慣―成功には原則があった!

シベリウスのシンフォニー全集 第1番から第7番までのボックスセットです
母国のオーケストラによる演奏はシベリウスへの愛情が感じられます
Sibelius: Complete Symphonies; Violin Concerto; Finlandia
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